経営者メッセージ

ホームインタビューレアメタル・レアアース軸に電子・機能材料で成長目指す

2011月10月07日

レアメタル・レアアース軸に電子・機能材料で成長目指す

アルコニックス株式会社

正木英逸(敬称略)

代表取締役社長: 正木英逸

1941年生まれ。1965年3月関西学院大学経済学部を卒業後、同年4月岩井産業株式会社(後に日商岩井株式会社、現在の双日株式会社)に入社。1995年10月日商岩井株式会社(現在の双日株式会社)大阪鉄鋼本部副本部長、1998年10月日商岩井インドシナ地区支配人兼タイ会社代表取締役社長を経て、2000年4月当社代表取締役社長に就任。

──当面の事業展開についてお聞かせください。

正木 11年4~6月期業績は連結経常利益が前年同期比で約3倍になるなど好調でした。震災による一時的な落ち込みはあったものの、電子部品や自動車向けのレアメタルやレアアースなど電子・機能材料の販売が大幅に伸びたことに加え、需給逼迫による市況高も寄与して収益向上の牽引役となりました。また、チタンなど欧州のプラント向けが回復したことや、復興需要に伴う配管機材、さらには、アルミや銅製品を手掛ける連結子会社の貢献もあって、収益は大きく伸長しました。

──今3月期通期業績見通しを増額修正しましたね。

正木 自動車の生産回復本格化もあり、7~9月期も好調に推移していることから、上期の連結経常利益を期初予想の22億5000万円から33億5000万円(前年同期比2・2倍)に増額修正しました。下期は円高の影響や欧米の景気減速などの不透明要因が多いことから当初予想の10億5000万円を据え置いたことから、通期の連結経常利益は期初見通しの33億円に対して上期の増額分だけを上乗せした44億円(前期比48%増)としました。ただ、下期をかなり慎重にみた計画で、電子・機能材料の需要や市況に大きな崩れはないとみており、過去最高経常利益の更新は達成できるとみています。

──一段の収益拡大に向けた中期戦略を教えてください。

正木 営業収益力を強化するには、当社が強みを持つ分野で収益性の高い電子・機能材料をさらに拡大していくことが重要です。電子やIT機器、自動車関連の部品は日本産業の生命線であるだけに、今後も当社の扱うレアメタルやレアアースを軸にした電子・機能材料の需要は拡大する方向にあるとみています。中でも、環境関連の材料に注力しています。具体的にはガリウムやサファイヤなどLED関連、金属珪素など太陽電池関連、磁石合金などエコカー関連、中国では需要があるチタン展伸材など原発関連の各素材です。

──レアメタル・レアアースなどは中国の資源ナショナリズムなどから、調達面の懸念がいわれていますが。

正木 当社のこれまでの取引実績を基に中国との友好関係は継続、強化されてきており、調達問題には至らないと判断しています。また、中国自体も世界貿易体制の中に組み込まれており、供給を止めることはできないでしょう。また、中国では外資の資源開発が禁止されているため、中国企業と合弁で磁石合金など製錬事業に積極的に参加していくほか、中国以外ではタングステン鉱山やモリブデン鉱山などのレアメタルの開発に参加するなど、資源開発に積極的にかかわっていくことで、供給量を確保していく方針です。

──アルミや銅製品などでは海外展開を積極化させていますね。

正木 こうしたベースメタルの国内需要は頭打ちの傾向にあります。しかし、中国をはじめアジアや新興国での需要は依然強く、海外需要をいかに取り込んでいくかが課題です。当社では既に8現地法人、12拠点の強力な海外ネットワークを確立していますが、できるだけ早い時期に中国・広州、ベトナム、インドにも拠点を新設して、現地取引や3国間取引を増加することにより収益の拡大を図る方針です。

──M&Aを含めて事業投資にも注力されているようですが。

正木 収益を安定的に伸ばしていくためには極めて有力な施策です。当社は既に通信機器用アルミ部品を手掛ける大川電機製作所や伸銅品を手掛ける林金属など、M&Aでは7件の実績があり、現在すべての会社・事業が黒字で連結収益に貢献しています。今後も非鉄金属や化学、鉄鋼などの周辺製造業や流通業などにも視野を広げM&Aを実施していく意向です。また、事業投資案件では、ダイカスト製品など金属加工分野を軸にしていますが、マイナーな出資が基本で、原料納入、製品販売による流通益を取り込んでいく方針です。

──中期経営計画最終年の14年3月期連結経常利益目標である40億円は今期に達成してしまいそうですが。

正木 電子・機能材料の想定を上回る好調で達成できそうですが、中期計画は毎年ローリングして見直しており、来期以降も経常増益を目標にできると考えています。

──株主還元についてお聞かせください。

正木 一株利益の増加による株式価値の向上を目指しますが、配当でも積極的に還元していく方針です。今期は9月中間25円、期末25円の年間50円配当継続の予定ですが、期末の収益次第によっては増配することも検討します。
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