経営者メッセージ

ホームインタビューコアの計測技術を武器にさまざまな分野へのシステム導入

2011月10月12日

コアの計測技術を武器にさまざまな分野へのシステム導入

ユニパルス株式会社

吉本喬美(敬称略)

代表取締役会長兼社長: 吉本喬美

1941年11月15日生まれ。茨城県那珂湊市(現ひたちなか市)出身。少年時代よりラジオ製作、アマチュア無線に熱中する。水戸一高を経て東京電機大学卒。電気機器メーカーにて半導体生産設備の設計に携わる。1970年長女の誕生を機に独立を決意し、ユニパルス株式会社を設立。社名は「得意とするパルス電子回路を応用してユニークな製品を創る」の意をこめて命名した。趣味はゴルフ・グルメ・ワインを楽しむこと。

──御社の業態を簡単に

 ユニパルスは、ユニークなアイディアと高度な技術を軸とした研究開発型のメーカーです。お客様の課題の核心へ迫るコンサルティングノウハウを通じて独創的な製品を開発するとともに、ソリューションの実現をお手伝いしています。
 本来の得意分野である計測技術から制御技術、情報処理・通信技術を追求し、それらを呼応させることで新しい技術領域を切り拓き、拡大してきました。こうして築き上げた独自の技術プラットフォームを駆使して、お客様の課題を解決するさまざまな製品を生み出しています。

──どんな場面で製品は使われていますか

 産業用の重量、力関係の計測機器として使われます。正しくものを生産するためにはいろいろな場面で機械を正しく制御しなければなりません。そして、色々な角度からものを計測し数値化し、そのデータを収集することで、制御が正しく行われているか検証がしやすくなることがあります。ただし、産業用となりますと全てが計りやすい状況、機械というわけではありません。そこに当社へのニーズがあります。特に今までの方法では不可能だという場面で、それらを実現するために、当社の品は、食品加工工場、化学プラント、自動車工場などのファクトリーオートメーション等幅広い分野で使用されています。

──御社の特徴的な分野・製品は

 例えば重量分野。私が企画設計したアナログアンプの性能が他社のものよりかなり良いことから、これを組み込んだコントローラを使えば、ペットボトル等の充填機のコントローラ、自動車の生産ラインにおける品質管理のために圧入過程の応力データを取る機器、NC旋盤のドリルの芯がぶれないように装着力をチェックする機器など、処理能力が高い機器が作れます。
 データ収集分野では生産現場における変位、衝撃、圧力などのデータ収集・記録を行うデータロガーを開発しています。またOEMではありますが、雨量、積雪、風向・風速、気温・湿度などのさまざまな自然現象や気象観測、郊外、大気、水質、地崩れなどの環境監視装置など遠隔でも可能なデータ収集に幅広く使われています。さらに、「データを集める」という観点から、印刷機の稼動状況管理やコンビニエンスストアなどの稼働中の店舗内での実地棚卸し用の入力端末などの装置、銀行向け印鑑照会機、監視カメラ用画像補正装置、エレベーター用長周期振動などに技術を応用して開発をしています。
 メカトロ分野では、磁気ディスクの表面検査装置や磁気テープ評価装置など、高度なアナログ処理技術と、サブミクロン領域の精密位置決め制御をはじめ、精密機構とそれを制御する最適な電気回路を実現することにより、さまざまなニーズに対応し、全国の大学などの研究室の評価装置・試験装置から生産設備用のインライン検査装置を作成しています。

──FA・ロジスティクス分野について

 FAは自動車の部品製造・本体組立ライン、食品の包装・検査ライン、各種電子部品製造工程等の工作機械と組合わせて使用されています。
 ウェイングは計測化学、食品、建築資材等の原料計量に使用されています。単純な台秤用から、小型化・高速処理を求められるロータリー充填機用、複雑なホッパー制御、コンスタントフィーダ制御など幅広いラインナップを用意しています。その他、車重計・軸重計・ベッドスケール等の応用製品を開発しています。
 また配合計量、定量供給、ペットボトル充填機、航空機の重心測定、軸重計などにも及んでいます。
 ロジスティクス分野では少量・多品種化したお客様からの注文商品を、物流センター内で的確に仕分けするシステムを実現します。効率化・低コスト化を図りつつ、より高い精度が要求される、「あらゆる“モノ”のロジスティクス(物流)」において不可欠な製品を開発しています。
 大規模な機械仕分と小規模な手仕分けの中間規模のセンターにおける高効率の仕分システムを実現においては、常に業界最先端を行くシステムを提案・実現しています。アパレルから化粧品、日用雑貨、食品までやはり幅広く対応しています。

──中間期上方修正の背景

 今期はロジスティクス事業の売上割合が多く、保守的な計画のもと利益率を低く計算していたのですが結果として安い原価で製造できたこと。また、国内では計測関係で利益率が高い商品の販売が好調だったこと、また海外での販売が伸びたことが大きかったと考えています。

──最近の状況について

 社会全般で部品等の供給懸念はありますが、当社は他社で作れない製品が多いことなどもあり前倒し発注が多くみられました。関連会社のナノテックスでは衛星通信の通信制御装置を受注しておりますが受注が大幅に増加しました。また関連会社の昭永電設では電力使用量ニーズにともなって発電機、蓄電池、LEDの需要が増加しています。

──M&A戦略と海外展開

 M&Aは広いくくりで見て産業用電機、精密機器メーカー、あるいはソフトウエア会社が対象となります。
 海外については引き続きアジアを中心に営業活動をおこなっていこうと考えております。機能、価格等について海外マーケットのニーズに合わせた製品を年内に開発し販売することを企画しています。
 中国につきましては工業化が興り始めている地域を中心に営業員を雇用して今後積極化するであろうFAのニーズに対応することを考えています。

【取材メモ】

 国内での取引先が約9000社にわたる同社の製品は実は日本の基幹産業のさまざまな分野で活躍しています。それは同社の社風が「技術」に誠実にこだわることに起因しているのでしょう。「得意なパルス回路技術を使ってユニークな製品を創ろう」そして「自分たちが納得できる製品を創ることへの挑戦」。これを実践されてきたことがよく理解できました。まさに日本の「ものつくり」を支えている格好でしょう。
 今期第2四半期経常利益は対通期進捗率70%とかなりの変化率で着地していいます。これは小さな変化かも知れませんが、同社の大きな変化への先駆けに思えてなりませんでした。


[ 会社概要および業績 ]

社名 ユニパルス株式会社
証券コード 6842
公開市場 東証2部
上場年月日 1998年9月
設立 1970年4月
決算期 9月
連結業績予想(2011年9月期)
売上高4,842百万円(28.2%増)、営業利益640百万円(199.7%増)、経常利益662百万円(573.6%増)、当期純利益486百万円(573.6%増)、一株当たり当期純利益97.23円
トピックス
2011年4月28日に発表した第2四半期連結累計期間業績予想と実績では営業利益・経常利益・当期純利益とも予想を上回ったが、通期予想については据え置いている。

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