経営者メッセージ

ホームインタビュー「自遊空間」を全国展開

2011月12月09日

「自遊空間」を全国展開

株式会社ランシステム

濱田文孝(敬称略)

代表取締役社長CEO: 濱田文孝

1942年鹿児島県生まれ。建設業界などを経て、2009年3月にランシステム事業統括担当に就任。09年9月より同社代表取締役。11年10月には日本複合カフェ協会(JCCA)会長にも就任。趣味はスキューバダイビングと水中写真。

定年後の時間を楽しく過ごせる「健遊空間」事業を開始

──御社の業態は?

 複合カフェの「スペースクリエイト自遊空間」を直営及びフランチャイズで展開しています。複合カフェとはさまざまなコンテンツとサービスを提供する施設です。当社が展開する「自遊空間」は365日、24時間営業で幅広い世代のお客様に「アミューズメント」「リラクゼーション」「飲食」の3つの基本サービスの組み合わせを提供し、利用時間に応じた施設利用料と飲食物の販売によって成り立っております。事業コンセプトは、お客様が好きな時間に好きなサービスを楽しめる「時間消費型ビジネス」による総合アミューズメントです。常にお客様の嗜好やライフスタイルに着目して時代のニーズを先取りし、複合カフェのパイオニアとして業界の発展に尽力しています。現在では北は北海道、南は九州、沖縄まで全国に184店舗出店し、会員数は1000万人以上と業界のトップでございます。

──最近シニア向け事業にも注力されてますね

 はい。定年後の余暇時間に着目し、シニア向けのコミュニティ施設「コミュニケーションクリエイト・健遊空間太田の森」を群馬県太田市にオープンしました。「健やかに遊ぶ」「世代を超えた交流」「地域活性化」をお手伝いする店舗環境を作っています。漫画やパソコンに加え囲碁・将棋の部屋や健康麻雀コーナーもあり、マッサージチェアや交流ラウンジなども備えています。親子2世代だけでなく、その上の3世代が一緒に来店できるように「キッズガーデン」という子供用の遊び場や「カラオケルーム」を備えています。またイベントルームには楽器も常備してあり「おやじバンド」の練習も可能です。
 最近、シニア層の孤立化が進んでおり、気軽に毎日来たくなる施設を作りたかったというのがもともとの理由です。2016年6月期までにフランチャイズも含めて全国で70店舗程度展開したいと考えています。私も60歳代なので家族のプレッシャーがあって自分の家にいることすら苦痛に感じる気持ちが良く理解できます。昼間の時間帯で同世代の友人たちが出会える場の必要性を感じていました。当社の企業使命は「私たちは、お客様との出会いを活力に、豊かな発想力で楽しみ、くつろぎを創造し、新鮮なライフスタイルを提案します。社会と共に活気に満ちた永続的企業を目指します」というものです。この使命を果たすための努力をしているのです。

──「信頼力」という言葉をよく使われます

 当社の基本方針は「信頼力」「人材力」「創造力」「収益力」。「信頼なくして商いなし」という言葉がありますが、社員を信頼すればムダがなくなりますし無理もムラもなくなります。信頼こそ経営であると言っても過言ではないでしょう。社員を信頼し、お客様、フランチャイズのオーナー様を信頼することで当社は成長させていただきました。特にオーナーの皆様はセカンドビジネスである場合が多く、非常に経験豊富な方々です。その方々に納得できる価格を提示することで信頼力は増していくと考えています。
 そして当社の「人材力」。これは社員、オーナー様、取引先、そして株主様たちの総合人材力です。特に、お客様に気持ちよく空間をご利用いただくためには「教育の行き届いた人材でのサービス」が必要不可欠です。当社は「リピーターではなくファンになってもらう」ことを目指しています。ファンになっていただくと、従業員がお客様と友人として会話をすることも可能になります。

社員との信頼関係構築こそが全てのサービスに繋がる

──御社は現場主義で知られていますね

 私がこの仕事に携わったのは60歳を過ぎてからです。まずは店長をさせていただきました。現場を知らなければどんな事業も拡大することはできないと考えたからです。また、現場にいるとまず「嫌なこと」を改善することが出来ますし、現場はその場で結果が出る世界です。当社は「清潔な空間と癒しの空間」を提供しているサービス業です。そこでのサービスは「高質なサービス」の提供を心がけています。決して高級なサービスではありません。「高級」ということはグレードアップが必要ですし、コストもかかります。でも「高質」を追求すれば、自ずと「気配りと笑顔」ということになります。当社にはパソコン端末が各店あわせて9000台ほど用意してありその端末からお客様のリアルな要望が日々寄せられます。この要望は本音のご意見を頂戴できていると思いますし、これを活用して需要の集約とソフト面の強化を目指しています。
 この業界は、競合店がほぼ同様のコンテンツを提供しております。そこでの差別化を図るためにはハードではなくソフト面の部分の強化が必要になります。それはマニュアルではなく「心」の問題だと思います。おそらくその代表は「自然に出てくる笑顔」でしょう。機械的に言わされるのではない言葉やサービスがあってこそ、いい空間が出来ると考えています。ある意味で「お客様が当社のいい接客姿勢を作ってくれる」ことになります。ただ、現場が自然の笑顔を出せるようにするのは本社の経営企画の仕事でもあるとも言っています。お客様から頂いた自然の笑顔が継続できるような教育・企画・サービスを現場に伝える役目を持っていると考えているからです。

──顧客管理システムも充実しています

 いい空間をつくるためにはコスト負担も必要です。当社はシステムを全て自社開発しています。会員証のゴールドカードはお客様から好評ですし、当社の入退場システムは日比谷図書館にも採用されています。個人情報や青少年の保護という観点を評価されたのです。

──将来の事業の夢は?

 当社、ランシステムの認知度が向上することです。「自遊空間」や「健遊空間」は知られていても、それを運営しているのが当社だということはあまり知られていません。そしてこの産業を日本の文化として世界が認めるものにしたいですね。中高年が楽しく遊べる空間の提供度という意味では、日本は決して先進国とは言えません。そこへ一歩でも近づくための手助けが出来れば嬉しいです。
 これからも「自遊空間」や「健遊空間」の全国展開をさらに進めていきます。個人的にはスキューバダイビングやヨットという海洋スポーツの趣味の世界も大切にしたいですが(笑)。

【取材メモ】

 「シニアは自分のことをシニアとは考えていません」と濱田社長。リタイア後に自宅で異邦人の世界に入り込んでしまったような高齢者にとって、交流と楽しみを提供してくれる場所は必要不可欠。「行く場所」が必要というのは社長ご自身のご経験からの発想なのでしょう。
 濱田社長のお話を伺っていると、本社の方も現場の方もきっと「楽しいっすね」という言葉が似合いそうな会社なんだろうなと感じました。まずは提供する側が楽しく仕事が出来なければ顧客が楽しい筈はありません。また、本社に伺って驚いたのは、昼休みの一斉節電を継続されていること。「不便は感じていないし、本社が率先しなければ店には通じません。何より私たちは世間に対してサービスを提供しているのですから」と。この言葉にランシステムさんの本質を感じました。


[ 会社概要 ]

社名 株式会社ランシステム
証券コード 3326
公開市場 ジャスダック
上場年月日 2004年6月
設立 1988年12月
決算月 6月
単独業績予想(2012年6月期)
売上高7,650百万円(前年比16.6%減)、営業利益360百万円(前年比11.6%減)、経常利益370百万円(前年比18.7%減)、通期利益200百万円(前年比8.7%増)
トピックス
2011年7月に、シニア・シルバーのコミュニケーションエリアと家族で遊べるキッズエリアを併設した新しいアミューズメントパーク「コミュニケーションクリエイト健遊空間」1号店を群馬県太田市にオープン。

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